Mixpanelは、ユーザー行動分析とプロダクト最適化に優れたプロダクト分析プラットフォームです。今日は、Mixpanelを最大限に活用するための高度なテクニックやコツをご紹介します。
Signalで購入と直結する行動を探る
Mixpanelの「Apps」セクションは、便利なサブ機能だと見過ごされがちです。しかし、この機能はデータ分析において強力な武器です。
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その中でもSignal機能を使えば、特定のアクションと強く相関する行動がすぐに把握できます。初期設定ではリテンション(定着率)に設定されていますが、「購入」につながる行動もしっかりと分析できます。
まずは、直近30日間で購入したユーザーのコホートを作成しましょう。その後、このコホートを「GOAL」として選び、分析対象のユーザーグループを設定します。例えば、新規ユーザーの購入傾向に注目したい場合、その様なコホートを「For」で選択します。
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あとは"Correlate"さえ押せば、魔法のように、購入と強い相関が見られる行動が表示されます。相関が強ければ強いほどスコアが高く表示されます。
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相関スコアを見る時の注意点としては、相関スコアが0.8以上のイベントは大体、購入前に必ず行われる行動(カートに追加、購入確定など)である意味のない所謂「ノイズ」である可能性が高いです。また、稀なアクションに高い相関スコアが出た場合は、その背後にある事情を詳しく調査する必要があります
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また、ほとんどのユーザーが行わないレアな行動に高い相関スコアが出た場合も慎重に見る必要があります。例えば、以前私が担当したアプリでは「詳細設定を変更する」という新規ユーザーの行動が課金と高い相関を示していたケースがありましたが、この行動を起こしていた新規ユーザーはわずか0.9%に過ぎませんでした。一見すると、新規ユーザーにとって「詳細設定を変更する」ことは価値に繋がっている行動であると解釈してしまうが故、より多くの新規ユーザーを詳細設定へ誘導する施策を検討するかもしれなせん。しかし蓋を開けてみると、この0.9%の新規ユーザーは、実際は新しいスマホに置き換えた既存ユーザーであり、新規ユーザーとして誤分類されていただけでした。当然、既存ユーザーだからこそ多くの新規ユーザーが気にしないような詳細設定にも精通している上、平均の新規ユーザーよりも有料ユーザーに転換する確率は大幅に高いでしょう。だからこそ、極端に稀なイベントに高い相関scoreが出た場合は、このようにさらに詳しく調査する必要があります。
KPI変動の根本原因分析
重要なKPIの数値が上下した理由の原因分析に頭を抱えたことはありませんか?実はMixpanelには、多くの人が見落としている「根本原因分析」機能が備わっています。
コンバージョンファネルやリテンションチャートの下部に「Find Interesting Segments(興味深いセグメントを見つける)」というボタンがあります。
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こちらをクリックすると、数分後にMixpanelからKPIの上下に影響した可能性のあるユーザーセグメントについての詳細なレポートがメールで届きます。各セグメントをクリックすれば、ターゲットとされている具体的なセグメントチャートも表示されます!
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結論
これらの使い方をマスターすることで、プロダクトやユーザーのより深いインサイトが得られます。データアナリストであれ、好奇心旺盛なプロダクトマネージャーであれ、私たちは常にデータからさらに多くの洞察を引き出す方法を学んでいます。
もしMixpanelの使い方のチーム育成支援が必要であれば、ぜひ松下村塾にお問い合わせください。
それでは Happy Analyzing!