プライミング効果 (Priming)

UXにおけるプライミング効果とは、あらかじめ受けた刺激(情報)によって、その後の行動が意識的または無意識に影響されることを指します。プライミングは、暗示や連想といった概念とも関連しており、心理学研究において広く用いられています。

プライミング効果 Priming ux 例 アプリ

プライミング効果がなぜ効果があるのか

人間の脳は過去の経験や情報を元に現在の認知や判断を行っています。プライミングは、ユーザーが無意識に情報を処理し、その情報が後の行動や判断に影響を与えることを利用しています。これにより、デザイナーや開発者はユーザーの期待や好みに沿ったインターフェイスや体験を提供することができます。

プライミング効果の参考例

プライミングがよく使用される事例はアプリのレビューモーダルの手前に表示される訴求モーダルです。これはPermission priming(許可プライミング)とも呼ばれます。

上記画像の例を見ると、5つのプライミング手法を起用しております:

  1. レビューモーダルの前に訴求モーダルを出すことにより、「満足している->じゃあ良い評価もしよう」という意識の連鎖につながり、単にレビューモーダルを出すだけより高い評価が上がります。(ちなみに、「満足していない」を押すとレビューモーダル自体を出さずお問い合わせ画面が開く手法が一般的です)
  2. 星5つの画像を表示することで、無意識的に満足している/次の画面で星5つを押すことを連想させている。
  3. 「満足している」の選択肢が強調されているため、こちらのボタンが正解だと意識させる。
  4. タイトルである「アプリに満足していますか?」は満足している方向に傾いている問いかけである。(「アプリに不満はありますか?」も同じ質問だが、満足している方向性にプライミングが発動しにくい)
  5. 文章の「いつもご利用いただきありがとうございます」は恩を売る/感情に訴える文言で、読む相手を称えることで良い反応を助長しているとも言えます。
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記事の著者
松下村塾株式会社 代表 ウルフ松陰    Twitter
松下村塾株式会社の代表として、国内外の企業にデータドリブンなグロース戦略とUXデザインを提供。LIFULLやTinderなどの大手企業で成果を上げ、データ活用による成長支援に注力しています。2016年にグッドデザイン賞を受賞し、現在はデータ分析による成長に基づくビジネス書を執筆中。
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